|
父母や祖父母、その又親達・・・と先祖が使用していた布を大事に(多分忘れてた?)仕舞ってある のを薄暗い納戸で見つけたのは、随分と昔の事です。
いろんな事の有った後の我身には、暗闇に一条の光がさした思いでした。
その内に自分でも着物を着るようになり、それらの布は長襦袢の袖になったり、帯や帯揚になったりと。
そして、今は「表具」という伝統技術に出会え、掛軸という、古布にとっては最良の伴侶を見つけた思いです。
とはいっても、元々表具裂は、法衣、装束、小袖などの下賜品を使用していたのですから当然の事かもしれません。
表装用としての裂が販売されるようになったのは明治になってからと聞いております。
着物は着る人を、掛軸(表具)は本紙となる書や絵をより良く見せる為のものではありますが、私は、脇役の布を主役に据えたいとの思いで古布自体を掛軸の本紙として楽しんでおります。
自分の親あるいは姑の着物を思い出に残したいとの依頼が増えてきたのは嬉しい事です。
その掛軸を家の折々の行事に飾っていただいていると聞き、依頼主の優しい心根が伺え、作る側も気分の良いものです。
但し、デザイン・取り合わせを決める迄が四苦八苦で、いつも数ヶ月お待たせしてしまいます。
どんな形にせよ、先祖の残したものを大事に伝えていけたら・・・と思う今日この頃です。
|