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掛 軸   高 橋 正 子

司2階にある 『スペース』 でお預かりしている掛軸のご紹介をさせていただきます。
ここでは掛軸の作者である高橋正子氏に掛軸の魅力
についてお話をうかがいました。

   
■  ■  ■  ■  ■  ■  ■  

 父母や祖父母、その又親達・・・と先祖が使用していた布を大事に(多分忘れてた?)仕舞ってある のを薄暗い納戸で見つけたのは、随分と昔の事です。
いろんな事の有った後の我身には、暗闇に一条の光がさした思いでした。

 その内に自分でも着物を着るようになり、それらの布は長襦袢の袖になったり、帯や帯揚になったりと。

 そして、今は「表具」という伝統技術に出会え、掛軸という、古布にとっては最良の伴侶を見つけた思いです。
 とはいっても、元々表具裂は、法衣、装束、小袖などの下賜品を使用していたのですから当然の事かもしれません。
 表装用としての裂が販売されるようになったのは明治になってからと聞いております。

 着物は着る人を、掛軸(表具)は本紙となる書や絵をより良く見せる為のものではありますが、私は、脇役の布を主役に据えたいとの思いで古布自体を掛軸の本紙として楽しんでおります。

 自分の親あるいは姑の着物を思い出に残したいとの依頼が増えてきたのは嬉しい事です。
その掛軸を家の折々の行事に飾っていただいていると聞き、依頼主の優しい心根が伺え、作る側も気分の良いものです。
 但し、デザイン・取り合わせを決める迄が四苦八苦で、いつも数ヶ月お待たせしてしまいます。

 どんな形にせよ、先祖の残したものを大事に伝えていけたら・・・と思う今日この頃です。

 

掛  軸
          
昼夜帯(鯨帯)といわれる片面が黒繻子の帯。黒以外の取り合わせを考えましたが、やはり黒に落ち着いてしまいました。この大胆な菊のくり返し。着付ければ見えるのはほんの少し。昔の方がお洒落です。
         
一幅の絵のような染帯。端布を頂戴。以前から手元に有った羽織の裏地が頭に浮かび、直ぐに取り合わせが決まりました。
        羽織
綿の入った紋付でした。裏地を本紙に表地を天地などに使用。
 




短冊・ハガキ用掛軸



羽織 

上記を逆に使用し、昔の描表装の
   雰囲気を真似てみました



着物



ほんの10センチ程の端布。これを

どう生かすか・・数年間お預けの状態。
 紋付の黒も千差万別。
   この黒羽二重の黒に出会って
   漸く形になりました。



はがき用掛軸



丁寧に繕ってあり、かなり使い込んであるので、
厚手の綿布も掛軸に仕立てられました。
年月が何ともいえぬ風合いを醸しだし、
思ったよりハガキを邪魔していないと思います。

 

         インターネットやケータイの昨今、ハガキは心のゆとり、贅沢品とさえ思います。
          絵手紙、和歌とまではいかなくても、好きなことばを書いて飾る。
          ゆとりの時間・空間を楽しむにも掛軸は恰好の小道具になると思います。
 
                                                  

                                                    2006年 3月



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